シスプラチン六日目 化学療法中の便秘 VS コーヒーエネマ様

深夜に7イレブンで石垣の塩厚切りポテトを買ってきて食べている。今日はカップ麺が食べたいといって、やはり7イレブンの鰹・昆布のだし天ぷらそばを食べていた。いいのか。「でもここで止めて後々悔いが残っては」と生暖かく見守るわたし。この手でなんでも言いなりになってしまう。病気がちな子供が「長く生きられないのだから」と甘やかされる物語があるが、ああなる気持ちがよくわかる。

 

食事の話のあとですが、ここから尾籠な話が続くので、ご注意願います。

 

昨日は帰ってすぐにコーヒーエネマを二度やった。珈琲浣腸ですね。吐き気止めが腸の蠕動を阻害するらしく、丸一週間排便がなかったという。緩下剤も歯が立たない。コーヒーエネマという物理アタックアイテムがあって本当によかった。

 

化学療法中の便秘はよくあることだそうだが、排便がないと食欲が落ちる。毒素が身体に蓄積されるので体調もふるわない。何より苦しい。祖父は病気知らずだったけれど、晩年便秘に悩まされ、摘便してほしいと何度か病院へいったが、いま思い出しても気の毒で胸がふさぐ。強い下剤を出されて脂汗を流し、「これは戦場にいたときより苦しい」といっていたのも忘れられない。本当にあのときエネマを知っていたらずっとずっと楽に助けてあげられたのに。

 

シリコンのエネマバッグにぬるま湯に溶かしたエネマ用コーヒーをいれる。これをトイレのドアに引っ掛けるフックに吊り下げ、肛門から注入する。量は600㏄から1000㏄くらい。一度に入らなければ何度かにわけてもいい。もちおはいまやエネママスターなので、一度に1000㏄くらいを入れてしばらくその辺を歩き回ったり、横になって腹をゆすったりする余裕がある。もちおが闘病生活に入ってからもっとも鍛えた筋肉は括約筋だ。

 

一週間の便秘は強力だったが、エネマにはかなわない。一度目の注入で目標値は達成したが、念のためもう一度注入して圧縮された腸内物質を緩めてさらに成果を上げた。滞留期間が長かった排出物は強烈な臭いがする。出て行ってくれてよかった。

 

それから夕方までひと眠りして、夜はもちおの運転で大戸屋へいった。帰って仕事をしていたら、隣にやってきていろいろ話しかけてくる。仕事に手が付かなくて少し焦る。でも今夜は退院したばかりなのだ。「お家に帰れてよかったねえ、隣にお座り。お話しようか」と仲良くすごした。

 

丑三つ時もまわってから寝室へいくと呻き声をあげながら苦しんでいた。さっき食べた深夜のポテトチップスがいけなかったのでは、と思うが、これは夜泣きなのである。人は不安になると暗いうちに眠ることを恐れるようになるのだと、わたしは人生経験を通して知った。

 

静かな暗闇の中で目を閉じると、日中の喧騒でかき消されていた不安や恐れがまざまざと感じられるようになる。しかしスマホkindle、深夜ラジオに寝かしつけを頼めないほど疲れていると、頭と心だけがただただ喧しく、なかなか寝付けない。

 

「明るくなったら眠れるよ、もうすぐ夜が明ける」と言いながら背中をさすり、腹を掌で温める。明るくなったらあれをしようね、朝になったらこれをしようね。ところで、今日のあれ、おかしかったね。これには腹が立ったね。

 

外がうっすら明るくなる頃、もちおは寝息を立て始めた。わたしも寝返りを打って眠った。午前に予定を入れるのは、当分やめないといけないな。

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